【宿泊記】村野藤吾氏の名建築「ザ・プリンス箱根芦ノ湖」で味わう、心ほどけるおもてなし空間


3月上旬、家族の誕生日のお祝いを兼ねて「ザ・プリンス箱根芦ノ湖」に宿泊してきました。

客室棟外観

以前、八ヶ岳美術館 を訪れた際に、建築家 村野藤吾 の手掛ける建築物にすっかり魅了されて以来、「他の作品も体験してみたい」と思っていた私。

八ヶ岳美術館館内

今回訪れたホテルは、まさに“建築・自然・おもてなし”が美しく調和した何度でも味わいたくなる特別な場所でした。

自然と呼応する、村野藤吾氏ならではの建築美

まず圧倒されたのは、建築そのものの美しさです。
知人の建築士さんから”圧巻の美しさだよ”ととお話は伺っていましたが、百聞は一見に如かず。
呼吸をしているかのような力強い生命力を感じた建物に出会ったのは今回が初めてでした。

客室棟外観
外観ディテール

というのも、このホテルは周囲の自然との調和を大切にしながら設計されており、既存の樹木を伐採せずに残したまま建てられたといわれています。
その象徴ともいえるのが、印象的な円形ドーナッツ状の客室棟です。

自然の樹木を避けるようにゆるやかな曲線を描く建物は、まるで自然の一部のように景色に溶け込み、静かな存在感を放っています。

また、窓まわりの有機的なディテールや、樹木と呼応するかのような雨樋のデザインなど、細部まで丁寧に意匠が施されていて、まるで建物が生きているかのような生命力を感じました。

客室内観

客室も円環状ならではの扇形で、窓側に向かって空間がハの字に広がる設計。
一般的な長方形の客室とは異なり、実際以上に広がりと奥行きを感じられとても心地よい空間でした。

窓装飾の木製の引き戸のデザインも美しく、客室内も自然の中の一部であるかのような温かさと落ち着きのある雰囲気に包まれていて、上質な滞在を体感できる客室です。

細部まで美しい、館内の意匠

館内で特に印象的だったのが、ロビー空間と螺旋階段。

本館ロビー
ロビー待合い


ホテルのアイコニックでもある本館ロビーには、曲線と光が織り成す開放的な空間が広がっていました。
天井を見上げると花柄の意匠が施されていて、細やかなデザインに思わずため息がでてしまうほど美しかった。

螺旋階段①
螺旋階段②

螺旋階段は手摺までしなやかな曲線で構成されていて、その佇まいはまるで彫刻作品のよう。
「どうやって施工したのだろう」と設計や職人さんの手仕事に思いを巡らせながら、その美しい曲線を何度も眺め心癒されるひと時を過ごしました。

館内フランス料理レストラン

子連れにつき今回利用は控えましたが、レストランの内装もどこを切り取っても絵になる美しさ。

建築好き・インテリア好きの方には、たまらないホテルです。

芦ノ湖と富士山を望む、贅沢なロケーション

ホテルの大きな魅力のひとつが、芦ノ湖と富士山を望む素晴らしいロケーションです。

中庭から望む芦ノ湖と遊覧船

中庭から眺める景色は利用者だけが見られる贅沢なもの。朝・昼・夕方と時間の移ろいにより表情が変わるため、1日中眺めていても飽きません。

とても静かな環境なので、日常の喧騒を忘れて心からリラックスできます。

今回は子連れでの滞在でしたが、広々とした中庭のおかげで息子ものびのびと過ごすことができました。
室内だけでは飽きてしまいがちな小さな子ども連れでも、ホテルの滞在を楽しめるのは嬉しいポイントです。

心に残った、あたたかなおもてなし

そして何より印象的だったのが、スタッフの皆さんのおもてなしです。

入館からチェックアウトまで、穏やかな笑顔とさりげない気配りにあふれていて、とても心地よい時間を過ごせ、日本人ならではの親切で丁寧な振る舞いに心がほぐれました。

息子にも優しく声をかけてくださり、小さな子ども連れ(息子2歳)でも安心して滞在できたことが本当にありがたかったです。

思うように座ってはくれない2歳児との記念撮影

洗練された近代のホテルも好きですが、歴史あるクラシックホテルにはまた違った豊かさがあります。

時を重ねた建築の美しさに包まれながら、静かに心を整える時間。
そんな贅沢を味わいたい方に、心からおすすめしたい格式高いホテルでした。

私自身も、また季節を変えて訪れるのが楽しみです!